レビュー『胆小鬼』
『胆小鬼』
公式weibo：https://weibo.com/u/7591883643
◎形式
ドラマ（全16話）
◎放送期間
2022年8月～9月
◎メインキャスト
秦理：欧豪
黄姝：王玉雯
王迪：侯雯元
冯雪娇：周依然
冯国金：王砚辉
◎放送局
优酷
◎日本からの視聴方法
优酷アプリから（ジオブロあり）
◎あらすじ
1999年の冬、高校2年生の秦理（演：欧豪）と幼馴染の王迪（演：侯雯元）、友人の冯雪娇（演：周依然）のクラスに、黄姝（演：王玉雯）という女子生徒が転入してきた。4人は仲良くなり、特に秦理と黄姝はお互いの経験に共通点が多く、より仲を深めていく。困難がありながらも幸せな学生生活を送っていた4人だったが、あることをきっかけに、次第に友情に歪が生じていく。
時は過ぎ2011年。若い女性の遺体が雪上に放置されているのが発見された。剝ぎ取られた衣服と遺体の皮膚に刻まれた紋章は、10年前に発生した、女子学生が殺害された未解決事件の様子と共通していた。当時と同じ犯人の手によるものなのだろうか？そうであるならば、なぜ10年も経った今、殺人を繰り返したのか？犯人の意図は何か？10年前の被害者——黄姝の死の真相は？
◎評価点数
3.5点（5点満点、0.5点刻み）
◎総評と感想
かなり重い内容でたくさん考えさせられましたが、とても面白い作品でした。最終話視聴終了後も胸にモヤっとした後味が残るほど、複雑な気分になるエンディングで、でもそれが現実だよな、と思わされました。派手さはない作品だけれど、本作を観たら人生に深みが出るような気がします。
本作は、2000年（1999年）、2001年、2011年の3つの時間軸を交互に描く描き方で物語が構成されています。簡単に各時間軸を紹介すると、
2000年（1999年）：幸せ学生時代→少しずつ歪が……
2001年：黄姝の事件が発生
2011年：現在
となります。最初はこの描き方に少し混乱するかもしれませんが、見ていくうちに、このように異なる時間軸を交互に描くことで、過去と現在の落差を強調させ、本作の不気味でどこか重苦しい雰囲気をより際立たせている効果があるなと感じさせられました。
本作のタイトルは『胆小鬼』なのですが、なんでこのタイトルになったのかを本作視聴後に改めて考え直すと、「世の中におけるすべての”胆小鬼”の人たちに捧げる」とでもいうようなメッセージを強く込めたかったのかなと思われました。ちなみに原作小説のタイトルは『生吞』です。比較すると、ドラマ版のタイトルの方が、より作品内でどんな内容を描いているか分かりやすいかもですね。
さて、そんな本作のテーマである”胆小鬼”。視聴前は「どういうことを指すのかな」、「誰の事を指しているのかな」とのんびり考えていましたが、視聴後は「なんかあんなのんびり考えちゃって本当にごめん…」という感情になりました（）。
なんというか、自分は”胆小鬼”にはなりたくない、と本作を見て強く思ったのですが、社会の大多数の人が本作で描かれているような”胆小鬼”であって、”胆小鬼”たちの方が最終的には良く生きれて、幸せな生活を手にしていて、”胆小鬼”たちのせいで色々背負い込んでしまった側は幸せに生きることができない、という有り様を見て、そんな社会はダメだ！と思うと同時に、でもこれが現実だよな…という思いが浮かんできて、苦しんだりしました。（文章が長いし分かりづらい……）
改めて文字化するより、自分が視聴していた頃の感想ツイートの方が分かりやすい気がしたので、下に数件繋げておきます。苦しみ、憤っている様をご覧ください。↓
（ちゃんと貼れてますかね…？）
本作は本当に後味が苦い作品でした。誰も幸せにならない……のではなく、幸せになるべき善良な人たちが幸せを手にできず、彼らを犠牲にした”胆小鬼”たちは円満な幸せを手にしていて……複雑な気持ちになりました……。
個人的に、「この人は割と重めに罰せられるべきなのではないか」と思う人物が数人いたのですが、彼らが罪を償う描写がなかったので、心残りです。でもそれが現実なんですよね……過去の行いで他人の人生をズタボロにした人たちが、平気で笑顔でのさばる世界……
このドラマを視聴した人たちは、今後の人生においてどのような選択肢を選んでいくのだろうかと、ふと気になりました。本作を見て意識が変わった人は変わっただろうし、ドラマはドラマだからと、そのメッセージ性に目をつぶり気付かないふりをする人もいるだろうし。自分がどちらなのかというのも、まだよく分からないです。ですが、「”胆小鬼”にはなりたくない」という思いが自分にある限り、その思いに基づいた選択をしていけたらいいな、と思います。
内容がしっかりとある、メッセージ性の強い作品です。冒頭にも書きましたが、観ればきっと視野が広がり人生の深みも増すのではないかと思います。気になった方はぜひご覧ください。
レビュー『加油！妈妈』
『加油！妈妈』
公式weibo：https://weibo.com/u/7619872096
◎形式
ドラマ（全40話）
◎放送期間
2022年6月〜7月
◎メインキャスト
周南南：张雨绮
卢川：李泽锋
苏青：吴越
何晓涵：董洁
秦薇：海陆
朱璐曦：潘之琳
李修平：黄维德
田思扬：高鑫
谷志勇：邓飞
冯道成：虞金泽
扬朔：袁文康
＊
周小阳：金褀承
李逸夫：何羽霄
李逸文：龚珏睿
田优优：李洛伊
谷悦：陈羽汐
Isabel：王弋萱
◎放送局
CCTV、腾讯视频
◎日本からの視聴方法
腾讯视频アプリから、YouTube公式アカウント（腾讯视频-华语经典剧场）から
◎あらすじ
シングルマザーの周南南（演：张雨绮）は、息子・周小阳（演：金褀承）と母との3人暮らし。年長組になる小阳を幼稚園に通わせなければならないが、母の要求が高すぎてなかなか幼稚園が見つからない。そんな時、この地域でも特に優れて評判の高い小水滴幼稚園が、年長組の児童が1人抜けることで園児の追加募集をするという噂が出てきた。小阳を何とかして入れてもらおうと、周南南は徹夜をして幼稚園の入口に並んだ。
朝になり、母と列を交代した周南南は、小阳を連れて帰る道で我慢ができずお手洗いへ行く。小阳は母と一緒に女子トイレに入りたくはないと言い、外で待つことに。そして通りすがったサモエドを追いかけ、小阳は道路へ飛び出てしまう。車に轢かれるすんでのところで助けてくれたのが、卢川（演：李泽锋）であった。卢川は周南南のマンションの隣の部屋に住んでおり、さらに今年から小水滴幼稚園の年長組の先生を務めることになっていた。
奇跡的に抽選が当たり、小水滴幼稚園に小阳を通わせられるようになった周南南。しかし幼稚園のママたちはお金持ちばかり。そしてシングルマザーへの偏見も強い。しかし周南南は持ち前の負けん気と正直な態度で、次第に他のママたちと打ち解けていく。だが、彼女の目の前に立ちはだかる問題はそれだけではなかった。
シングルマザーへの偏見、住宅詐欺問題、学区房争議、不倫、嫁姑問題、夫の夜逃げ、闇融資、さらには養育権訴訟……、小水滴幼稚園のママたちを通じて、様々な社会の問題を視聴者の眼前にさらけ出す一作。
◎評価点数
4点（5点満点、0.5点刻み）
◎総評と感想
面白かったです！！とっても！！総じてハッピーな気持ちになる、という作品ではないのですが、私はこの作品のように社会問題を堂々と取り上げていて、かつ女性がかっこいい作品が大好きなので、とても合っていました。本作を見ながらいろいろ吐き出すのが習慣となっていたので、もう見終わってしまってそれが出来なくなったのが少し寂しいくらいです（笑）
まずは张雨绮さん演じる周南南がかっこよかったです。シングルマザーであることを、周囲からあれやこれや言われたり、偏見の目で見られたり、職場の後輩には嫌がらせをされたり……。育児だけでも大変なのに、かつそれ以外の部分でもかなり大変な思いをしていて。
だけどそれらの困難に対して負けずに正面から堂々と立ち向かっているのがかっこいい。このかっこよさ、雨绮姐姐本色出演！という感じがしました。キャストと役のマッチ度がすごい。終盤は「ん…？」となるシーンもちょっとありましたが、総じてとてもかっこよかったです。憧れてしまう。
本作ではメインで5つの家庭が描かれます。そしてどの家庭も問題を抱えている。苏青（演：吴越）の家庭が抱える問題は、長男の反抗期、専業主婦にさせられる、夫・李修平の不倫、夫の育児不参加です。この夫が本当に酷くて（笑）特に不倫が発覚してからのあの態度、見ていて呆れて何も言えなくなりました。人間としてどうなの？と思います。でもこういう男性、現実にたくさんいそうだな…とも思いました。
個人的に吴越さんが大好きなのですが、今回もさすがの演技のうまさでした。説得力があるんですよね、演技に。特に、感情がガーッと込み上がってきて、思わず目に涙を溜めてしまい、鼻は詰まって、それでもなんとか必死に言葉を絞り出そうと、途切れ途切れに話している演技とか……。あと、演技で「目は口ほどに物を言う」を体現してるのが本当にすごいです。吴越さんは本当にすごい。
何晓涵（演：董洁）の家庭は、奶奶との嫁姑問題が酷くて。この奶奶が本当にとんでもない性格の人物で、視聴者みんなイライラしてたんじゃないかなと思います（笑）晓涵に常に当たりが厳しくて、自分の教育理念や価値観を押し付けて、孫の好きなものも否定して、自分の理想の型通りにいくように強制して。
1番酷かったのは、优优が女の子であることを気にして、男の孫が欲しいからと晓涵に2人目の子を産ませようとしてたこと。避妊具に穴開けるんですよこの奶奶！やばすぎる。しかも勝手にお腹の中の子が女の子だと勘違いして、今度はなんとか中絶させようとして！しかも最後は階段から晓涵を突き落として（半分は事故ですが）、流産させてしまって。いや本当に……、やばい人がたくさん出てきた本作においても1、2を争うレベルの酷さでした。見てほしい。
そしてこの家庭は夫の田思扬（＝奶奶の息子）が本当に何もしない！彼、はっきり言ってしまえばマザコンなのですが、嫁姑が対立した時にいつも妻の晓涵に我慢するよう言うんです。そして母親を庇う。母親の言うことに背けなくて、結果的に晓涵をどんどん追い詰めていく。マザコン夫も、現実で普通にたくさんいそうだなあと、ドラマを見ながら頭が痛くなりました。すごいドラマだ。最後はちょっとマシになりますが
秦薇（演：海陆）の家庭は、5つの家庭の中で唯一妻の方が問題を抱えている家庭です。小水滴幼稚園はお金持ちの家庭が多く集うのですが、秦薇の家庭は一般家庭、旦那の谷志勇も普通のサラリーマン。ですが虚栄心の強い秦薇は、自分もお金持ちであるかのようにブランド物を身につけて装います。この部分はまだ可愛いな、とも思えるのですが、この家庭は学区房をめぐる問題で大変なことをしでかします。本作を見て学区房問題を知り、とても興味深かったです。見てほしい。
秦薇の娘の悦悦が本当に良い子で……。子役の子の演技もとっても良かったです。秦薇はすぐ感情的になる人間で、娘に対しても気に入らないことがあるとすぐ間近で怒鳴って詰問するという、教育として母親としてどうなの？と思ってしまう人間なのですが、娘ちゃんは本当に良い子。健気すぎる。そして旦那もいい人。本当にこの家庭は秦薇が酷かったな……、個人的にすぐ大声で怒鳴る人間が苦手なので、だいぶキツかったです。
朱璐曦（演：潘之琳）の家庭は、夫婦仲も良く、お金にも恵まれていて、一見とても幸せそうな家庭なのですが、最終的にはこの家庭が最も＂惨＂だったかもしれません。過程はちょっと省くのですが、夫の冯道成がある日突然夜逃げをして、璐曦と娘のIsabelだけが取り残されてしまいます。璐曦は生まれてからずっとお嬢様で、もちろん家事なんてやったことない。それでもやらなければならないから、現実に向き合って、徐々にいろんなことを学んで成長していきます。璐曦の成長の過程がとても素敵でした。中身が強い女性は最高ですね！大好きです。
そして、物語の主軸に関わるキーパーソンとして、後半から小阳の産みの親・扬朔（演：袁文康）が出てきます。彼、悔しいことに、まっったく憎めないんですよ…！普通に彼の言い分も分かるというか、彼のことを嫌いになれないというか、南南ちょっと頑固すぎるんじゃないのとか、でも扬朔が南南の気持ち考えてなかったのも事実なんだけどとか、色々見ながら考えてしまって。話の流れ的に、南南は卢川を選ぶと分かっていたでのすが、途中なぜか扬朔のことを応援してしまっている自分もいて……！そのくらい魅力的な人物でした。嫌いになれないよー！><
とっても面白くて大好きな作品なのですが、最終話で突然「双减」の話が出てきて。登場人物たちが
「この政策のおかげでウチの子は笑顔が増えたわ！」
「ウチの子も、好きなピアノを好きなだけできるって喜んでるの」
「前は私たちも焦りすぎてたわよね」
と言い出したのを見て、ズコーッとなりました。中央の思想はほのかに感じられるくらいが丁度いいと思っている人間なので、こうも全面的に押し出されると、なんか冷めてしまいます（笑）「私が今まで見ていたものは、全て双减政策を賛美するための布石でしかなかったの…？」みたいな。だから上の評価点数も4点にしたわけなのですが……まあここは個人の好みということで……
現代中国の、特に家庭や教育面における社会問題をしっかりと取り上げてくれた良い作品だなと思いました。私はけっこう好きです！ぜひぜひ視聴してみてください！オススメです！
レビュー『回廊亭』
『回廊亭』
公式weibo：https://weibo.com/u/7762239700
◎形式
ドラマ（全12話）
◎放送期間
2022年6月
◎メインキャスト
姜远星：邓家佳
程成：张新成
高梓健：宫正晔
季冬梅：梁爱琪
林珍惠：王艳
高广义：钱波
◎放送局
优酷
◎日本からの視聴方法
优酷アプリから、YouTube公式チャンネル（优酷华语剧场-APP抢先看）から
◎あらすじ
ホテル・回廊亭で火事が起こった。当日このホテルにいたのは高广义（演：钱波）が率いる高家の親族と関係者のみ。なんとか逃げ出せたが、1人足りない。高广义が最も目をかけていた部下、姜远星（演：邓家佳）がいないのだ。再びホテル内に戻り、彼女が泊まっている部屋に入ったところ、彼女はベッドの上で意識を失い昏倒していた。首には絞痕がくっきりと残っていた。そして彼女の部屋から、黒ずくめの青年が窓から飛び降りて逃げる姿が目に入った。彼がこの火事の犯人なのか？彼は一体誰なのか？なぜ姜远星を狙ったのか？
事件の端緒は10ヶ月前、姜远星が高广义から「自分の婚外子を探してほしい」と命を受けたことに遡る。
◎評価点数
3.5点（5点満点、0.5点刻み）
◎総評と感想
東野圭吾の小説『回廊亭殺人事件』を原作に、中国ドラマ版に改編した本作。12話と少ない話数の大半を、高家のドロドロかつギスギスした相続争いに使っていて、ミステリー要素は比較的少なかったのですが、まあまあ楽しんで見れました。まだ原作を読んだことがないので、これを機に読みたいと思います。
高广义の婚外子を探していた姜远星が見つけたのが、程成（演：张新成）という若い男の子。彼の存在を契機に、相続の話がいろいろ変わってきて、自分の元へ相続される財産が減ってはならない！と思う高家の人々がいろいろやらかしだします。高家の方々、比較的性格が利己的な人たちばかりだったので、性格が悪くてちょっと怖かったです笑
高广义（↑画像）、穏やかそうなお爺さんのような見た目ですが、大企業の舵を担っていただけあって、相応の冷徹さを持ち合わせていて、経営者だな〜となりました。オーラがあるというか迫力があるというか……。大物感がすごかったです。俳優さんもおいくつくらいなんだろう。
高家のドロドロ部分は見ていて辛かったのですが、张新成くん演じる程成が可愛かったのでもうオールオッケーです。程成、最初は自分を捨てた高广义と、彼に命じられて自分の元に来た姜远星のことを毛嫌いし彼女を追い返そうとするのですが、远星と接していくにつれ次第に彼女の優しさと隠している弱さに触れて、惹かれていきます。その姿がとっても可愛くて……！！程成が远星への自分の想いを自覚した時、彼女を見る目が恋をした目にガラっと変わるのですが、そこの张新成くんの演技が上手い！最高でした。一緒に恋しく切ない気持ちを追体験できました。時代は姐弟恋だなあ(？)
弾幕をつけて見ていたのですが、そこに「原作はこんな恋愛描写ないし、ただ利益の追求があるだけ」というようなコメントがあって。程成と远星の関係が本作の唯一レベルでの救いだったのに、それが原作にはない……？と驚いてしまったのですが、どうなんでしょうね。でも彼ら2人の関係をドラマでこのように演出してくれたから、感情移入できたし、彼らが幸せになってほしいなあと思いながら見ることができたので、個人的には今回の改編はアリだと思いました。
話数も少なくてサクッと見れますし、日本の小説が原作なので見やすいかなと思います。YouTubeからも見れるので、気になった方はぜひご覧ください。
爱乐之都・7話
爱乐之都・7話です
番組公式weibo：https://weibo.com/u/3919397450
日本からの視聴方法：YouTubeから（https://youtu.be/0lrBT_8uoqo ※1話）、腾讯视频アプリから
6話の感想はこちら→爱乐之都・6話 - 中国エンタメを見守る
第2ステージ最終話です！
もうこれで第2ステージが終わってしまうかと思うと寂しいですね…
13組目は郭耀嵘＆严中杰ペアの《シンデレラ（中国名：灰姑娘）》より、《バッド・シンデレラ（叛逆的灰姑娘）》
“シンデレラ”でいることを求められるシンデレラが、自分はその役を演じたくないと反発の意を示す歌だと解釈しました。悪そうなメイクも魅力的でしたね、唇が黒い！がなりを入れた歌い方も、力強くてかっこよかったです！
郭耀嵘さんはディズニーの美女と野獣のベルを、严中杰さんもディズニーのシンデレラの中国版オリジナルキャストらしく、ディズニープリンセスの原卡であるお2人がこのような曲をパフォーマンスされということで、よりギャップが際立ったなあという印象をうけました！7話で見たパフォーマンスの中では、個人的には1番好きなステージでした！
審査結果：郭耀嵘→45票（待定）、严中杰→56票（進級）
14組目は曹杨＆鞠红川ペアの《Once ダブリンの街角で（曾经）》より、《Falling Slowly（缓慢落下）》
弾き語りでしたね、演技というより、弾き語り。鞠红川さんの歌声がとっても綺麗でした。弾幕で「鞠红川さんの歌声はどんな人とのハーモニーでも合う」というのがあって、その通りだなと感じました。
審査結果：曹杨→28票（待定）、鞠红川→73票（進級）
15組目は刘思维＆施哲明ペアの《リトル・ショップ・オブ・ホラーズ（疯狂花店）》より、《歯医者におなり（牙医！）》
楽しい感じの、すこし面白い雰囲気の独特な曲でした。表情や動作などがいちいちコミカルで、2人がそんなコミカルさを見事に演じきっていたのが素晴らしいなと感じました。小道具も豊富で見ていて楽しかったです！
審査結果：刘思维→8票（待定）、施哲明→93票（進級）
ラスト16組目は夏振凯＆王哲ペアの《レ・ミゼラブル（悲惨世界）》より、《カフェ・ソング（人去楼空）》
レミゼからの1曲でした。お2人ともとっても歌が上手いので、しみじみと世界観に浸って見てしまいました。ただ、審査員の方々からの評価はそこまで高くなく…なんでだろう…プロが求める基準は本当に厳しいなと感じました。難しい。
審査結果：夏振凯→67票（進級）、王哲→34票（待定）
これで第2ステージすべて終了しました！
今回も見応えがあるパフォーマンスでしたね。
続いて第3ステージ……に行く前に、どうやら誰が進級できるか否かを決めるプロセスを挟むそうです。
既に進級が確定しているのは以下の16名。
ちらっと予告を見た感じ、計24名進級するらしいので、ここに上がっていない16名のうち半分が繰り上がるのかな…？という感じです。
いや8人を淘汰する必要性なくない？という思いなのですが…、ともあれ早く8話を見たいと思います。
不足分や訂正箇所等あればコメントいただければ幸いです🙇🏻♂️
爱乐之都・6話
爱乐之都・6話です
番組公式weibo：https://weibo.com/u/3919397450
日本からの視聴方法：YouTubeから（https://youtu.be/0lrBT_8uoqo ※1話）、腾讯视频アプリから
5話の感想はこちら→爱乐之都・5話 - 中国エンタメを見守る
第2ステージの続きを見ていきます〜！
9組目は蔡淇＆赵超凡の《忠诚》より、《燃烧那团火》
昨年の、共産党建党100周年の記念演目として、上海音楽学院が創作した作品だそうです。中国は政治と芸術作品がゴリゴリに結びついているのが面白いですよね（interesting 的な意味で）。父に捨てられたと思っていたが、実は父は革命のためのメンバーで、息子に危険が及ばないよう離れていったということを手紙で知った（既に父は他界）息子の心情を歌った曲です。
最初の、気分も低めな入りから、後半の奮い立たせられるような盛り上がり部分まで、出す音の高低差の幅がすごい広い曲だなと素人ながら思いました。あと個人的には、前髪を下ろした蔡淇くんが可愛くて、ずっとこの髪型でいてくれ！ってちょっと思ってしまいました笑
審査結果：蔡淇→46票（待定）、赵超凡→55票（進級）
10組目は李紫婷＆王芯芯ペアの《星の王子様（中国名：小王子）》より、《再会》
《星の王子様》の中で、王子とバラのシーンの曲ですね。最初の方のシーンかな？この曲も音域がすごい広くて、低い音から高音まで歌えててすごかったなと思いました…！（素人の感想）
王芯芯さん、第1ステージではソロパートが少し短めで、もっとこの方の歌を聴きたいなと思っていたのですが、今回その綺麗な歌声を聞くことができてよかったです！高音がとっても綺麗なんだ…
審査結果：李紫婷→53票（進級）、王芯芯→48票（待定）
11組目は胡迪＆李钦ペアの《沉默的真相》より、《丢了》
中国オリジナルの作品がたくさん出てきますね！今作は、人気作家・紫金陈の小説『长夜难眠』を原作にした作品です。同名のテレビドラマも制作されており、中国では大人気を博しました。ちなみに、胡迪さんと叶麒圣さんは、この役のオリジナルキャストだそうです。
全てを失った主人公の辛い心情を歌った曲で、見ていてこちらまでしんどい気持ちになりました。この曲だけでもこうなるのに、もし作品全編を生で見たら、きっともっと感情を揺さぶられるんだろうな、と思いました。早く中国に行って生でミュージカルが見れる日が来てほしい…！
審査結果：胡迪→92票（進級）、李钦→9票（待定）
12組目は喻越越＆朱芾ペアの《エリザベート（伊丽莎白）》より、《私だけに（我只属于我自己）》
もう……すごかった……すごかったです……！！お2人ともキャリアも実力も兼ね揃えた、まさに第一線中の第一線を走られてるミュージカル役者さん。もうそんなお2人の合作ですから、始まる前からとっても楽しみだったのですが、その期待をはるかに上回る舞台で、感動して胸が震えました。素敵すぎる……
お2人とも声色が全く違うので、一緒に歌っている部分では歌声は決して混ざらないのに、でもハーモニーは美しくて。エリザベートの自由への想いがすごく瑞々しく伝わってきて。聴いていてこちらまで勇気をもらえるというか、とにかく元気づけられるような、プラスのパワーがとても込められたステージでした。
越越さんの繊細な、それでいて芯の強さを感じさせる歌声に、芾姐の張りのある、何事にも勇敢に立ち向かうような気概を感じさせる歌声、お2人ともとっても素敵でした！それから、衣装もとっても可愛くて！ドレスも髪型もすごく美しかったです！ぜひ見ていただきたいステージの1つです！
審査結果：喻越越→47票（待定）、朱芾→53票（進級）
第2ステージはまだまだ続きます！
私も早く追いつけるように頑張ります…！
不足分や訂正箇所等あればコメントいただければ幸いです🙇🏻♂️
爱乐之都・5話
爱乐之都・5話です
番組公式weibo：https://weibo.com/u/3919397450
日本からの視聴方法：YouTubeから（https://youtu.be/0lrBT_8uoqo ※1話）、腾讯视频アプリから
4話の感想はこちら→爱乐之都・4話 - 中国エンタメを見守る
忙しすぎて見るのが遅くなりました！＞＜
第2ステージの続きを見ていきます！
5組目は李炜铃＆刘乙萱ペアの《人間失格（中国名：人间失格）》より、《天真罪》
太宰治の代表作『人間失格』を原作にした、中国オリジナルのミュージカル作品からの1曲。原作における、ヨシ子が行商人に……の後、ヨシ子の心情を歌った楽曲です。
このパフォーマンスは本当にたくさんの方に見ていただきたい。なんというか、没入感がすごかったのだろうか、見ながらこちらまで一緒に辛くなって、悲しい気持ちになって、絶望を味わって、曲が終わり音楽が止まった後は、深いため息をついてしまいました。お2人の感情溢れる演技も素晴らしかったです。
審査結果：李炜铃→49票（待定）、刘乙萱→52票（進級）
6組目は曹牧之＆方书剑ペアの《シュレック（怪物史莱克）》より、《Don't Let Me Go （别让我走）》
アニメ映画のシュレックのミュージカル版からの1曲ですね。助けてくれたシュレックと友だちになりたくて、煩わしがっているシュレックに「一緒に行かせてよ！」とロバがアプローチ(？)をしかける楽しく面白いシーンです。（ちなみに日本では今夏シュレックのミュージカルが上演されるそうです）
コメディって演じるのがすごく難しいと聞きますが、お2人ともコミカルな動きに表情、そしてそれらに合った歌い方で見ていてすごく楽しい気持ちになれました！ロバ感を掴むために実際にロバに会いにいったそうです、すごい！えらい！笑
審査結果：曹牧之→52票（進級）、方书剑→49票（待定）
7組目は丁臻滢＆申霓ペアの《ロックオペラ モーツァルト（摇滚莫扎特）》より、《ビン、バン、ブン（心曲叮咚）》
アロイジアが歌う曲ですね。個人的にはこの曲の雰囲気が大好きで…！オルゴールというか、マリオネットというか…、多分刺さる方には刺さるはず…！
自分の意思が生まれ、ほんの少し自分がやりたいようにできたと思ったら、結局はそんな自分すらも操り人形にすぎなかった、ということなのかなと見ていて解釈しました。曲調が盛り上がるところは、見ているこっちの感情も沸き立てられて、とっても良かったです！
審査結果：丁臻滢→60票（進級）、申霓→41票（待定）
8組目は张玮伦＆黄冠菘ペアの《钢的琴》より、《练习曲》
中国オリジナルのミュージカル作品です。タイトルが「钢琴」ではなくて「钢的琴」というのが、この作品の物語を表しているというか、今回のパフォーマンスを見た後にふとタイトルに戻ると、「钢的琴ってそういうことか…！」と気付けます。そして少し心にくるものもあり…
幼い娘を持つ父親を演じたお2人。黄冠菘さんはもうすぐリアルパパになられるということもあり、説得力のある演技でした。张玮伦さんはまだ25？歳ですごくお若いんですけど、いい意味で全然20代に見えなくて、この歳で父親役まで演技の幅を広げられるのがすごいなと思いました。
審査結果：张玮伦→72票（進級）、黄冠菘→29票（待定）
第2ステージはまだまだ続きます！続きのパフォーマンスも楽しみです！
放送よりだいぶ遅れて見ているので、早く追いつけられるように頑張ります…！
不足分や訂正箇所等あればコメントいただければ幸いです🙇🏻♂️
レビュー『暗夜行者』
『暗夜行者』
公式weibo：https://weibo.com/u/7515341747
◎形式
ドラマ（全24話）
◎放送期間
2022年5月〜6月（2021年撮影）
◎メインキャスト
骆翔/陈陌：李易峰
苏青竹：宋轶
廖永嘉：冯德伦
于升海：宫海滨
梁龙：古斌
张欣瑶：宋奕星
◎放送局
爱奇艺
◎日本からの視聴方法
爱奇艺アプリから（ジオブロあり）
◎あらすじ
警察の、最大規模かつ最大勢力をかけた、麻薬組織逮捕作戦が始まろうとしていた。キーマンは、この日のためにスパイとして麻薬密売組織に潜入していた骆翔（演：李易峰）。作戦に抜けはないはずであった。しかし、警察内部に潜んだ組織側の人物の工作により、作戦は失敗。警察は多大なる損害を被る。骆翔は、組織に捕われ船上で拷問を受けている上官を、苦しみから救おうと狙撃銃を向けるが、背後から何者かによって撃たれ海の底へと沈んでいった。骆翔を背後から撃った人物は、警察の制服を着ていた。
それから5年の歳月が経った。タクシー運転手をしている陈陌は、病気で入院している娘のためのお金を稼ぐことに苦心していた。部屋の大家である保険販売人の张欣瑶（演：宋奕星）からは、家賃を催促される日々。ある日陈陌は、自らに保険金をかけ、事故に見せかけて自殺をすれば大金が手に入り、娘の手術代が間に合うと考え、自殺の決行を決意する。車に乗り勢いよく木へぶつかろうとした時、横から割り込んできた車に阻止された。その車に乗っていたのは、麻薬取締部隊の警察官・廖永嘉（演：冯德伦）であった。廖永嘉は、陈陌と骆翔の顔が瓜二つであることを利用し、再び麻薬密売組織へスパイとして潜入させようと試みる。彼はこれを“暗夜計画”と呼んだ。廖永嘉は「麻薬組織を壊滅させるため」と言うが…？
◎評価点数
4.5点（5点満点、0.5点刻み）
◎総評と感想
傑作ドラマに出会った時の興奮はいつだって色褪せないものですね。すっかり夢中になり、寝る間も惜しんで4日で20話も見てしまうほどハマりました。警察ＶＳ麻薬組織のお話。ただ両者の対決を描くのではなく、登場人物それぞれの思惑や過去、本当の身分が複雑に入り混ざり、予想を裏切る展開の連続と尽きないハラハラ感が、視聴者をこれでもかと惹きつけました。間違いなく、2022年の中国ドラマを代表する一作になると思います。良い作品だった…！
役者さんの演技が素晴らしかったのは大前提として、今作は本当にストーリー展開がよかったです！テンポ感もとても早く、1つの話をダラダラと引きずらなくて、どんどん次の展開がやってくる、だから視聴者は続きが気になるし、もっと先の展開も早く見たくて夢中になる。いいスパイラルを作っていたな〜！と思います。ある敵キャラを倒したと思ったら、その敵キャラよりさらに格上の敵キャラが現れて、そしてその敵キャラを倒したらまたさらに……というように、本当にずっと休まるところがありませんでした。でも、それがいい！見ていてとってもワクワクしました。
しかも、登場人物たちが頭の良い人ばかり。ある人物が裏をかいたと思ったら、またその裏をかいて。そしてお互い本当の身分や、誰と繋がっているかも隠していて。もう途中まで、というかほぼ最後の最後まで、視聴者も誰が味方で誰が敵か明言が難しいほど複雑な関係図で。いやあここまで人物関係図に凝った作品、見たことなかったです。本当にすごい。
登場人物も多ければ関係性も複雑なので、初見は把握が難しいと思います。なので、公式がSNSに載せてた人物相関図を載せます。（ざっと見た感じネタバレ要素はなかったのでご安心ください。）
ドン！
多いですよね、私も思いました。でも見始めると不思議なほどスッと頭に馴染んでいきます。それぐらい説得力のある作品でした。本当にすごい。
個人的に1番好きだったのが、陈陌の娘ちゃんの阿喜です。子役の子の演技が可愛すぎて、見ながら母親の感情が芽生えました。本当に可愛い。彼女、けっこうキーパーソンだったりするので、ぜひお楽しみあれ…！とにかく可愛いので、見て癒されてほしいです。
そして李易峰さん演じる骆翔/陈陌がこれまたとってもかっこいい。立ち居振る舞いからかっこよくって、立っているだけでかっこいいなんてことある？？って思うんですけど、ありました。彼です。骆翔は精鋭中の精鋭の警察官ですので、肉弾戦の喧嘩も強いわ、銃撃戦も強いわ、頭は回るわ、爆弾は解除できるわで、本当に見ていて惚れ惚れします。特に個人的に好きなところは、骆翔が無表情のまま相手を秒で気絶させるシーン。手口が鮮やかすぎてかっこよすぎます。ぜひ見てほしい。
こんなにかっこいい骆翔ですが、できないこともあって。自らと親しくなったせいでその人に危険が及ぶのを恐れ、相手への愛情を伝えることができないんです。それが本当にもどかしくて…！視聴者は分かるんですよ、骆翔と苏青竹の2人がお互い想い合って、お互いを大切に思っていることを。でも彼らは言えないんですよ、伝えられないんですよその気持ちを…！特に骆翔…！だって骆翔は苏青竹のことを守りたいから…！苏青竹に危険が及んでほしくないから…！自分が敵にしている存在の凶悪さを知っているから…！その毒牙にかかってほしくないから…！自分のせいで迷惑をかけたくないし、大好きな彼女に今度こそ平穏な生活を送ってほしいから…！大好きだからこそ、大好きを伝えられないんですよ…！！つら……！！
最後の最後まで、彼らの結末がどう転ぶか分からず、手に汗握りながら見ていました。そして最終話、最終話の最後のあのシーンを見て、何と言ったらいいのか、「ああ……そうか……」と沈鬱な気持ちになり、そして最後のあのｉｆのシーンを見て、どうしようもない切なさで気づいたら涙を流してしまいました。この作品があのような終わり方をしたことが、この作品の美学なんだとも思いますが……ちょっと悲しかったな……
心からオススメできる素晴らしい作品です。ジオブロかかっていますが、VPNを使えば見れるので、ぜひ見ていただきたい！よろしくお願いします！
