レビュー『雄狮少年』
『雄狮少年』
公式weibo:https://weibo.com/u/7570813337
◎形式
映画
◎上映年
2021年12月17日
◎メインキャスト(声優)
阿娟(男):大昕
阿娟(女):秋木
阿猫:大雄
阿狗:郭浩
咸鱼强:李盟
◎日本からの視聴方法
爱奇艺、腾讯视频、优酷アプリなどから(ジオブロあり)
◎あらすじ
弱々しい少年・阿娟は、両親が出稼ぎに行って祖父との貧しい二人暮らしをしていた。阿娟は、新年の村の祭りでガキ大将たちにいつものように虐められていたところを、1人の舞狮(獅子舞)奏者に助けられる。その人物は舞狮大会で優勝したこともある女の子であった。彼女に勇気づけられ、さらに獅子の頭を授けられた阿娟は、友人の阿猫と阿狗を誘い、舞狮チームを作ろうとする。3人の特訓の日々がここから始まった。
◎評価点数
3.5点(5点満点、0.5点刻み)
◎総評と感想
とにかく絵が綺麗。この一言に尽きます。まず、町や自然の景色の絵がすごく綺麗。そして舞狮の動きもとてもキレキレで、臨場感があり、これが実写映像ではなくてアニメ映像なのが驚きなほどクオリティが高かったです。
お話は、ジャンプ漫画によくあるような王道の「友情・努力・勝利」という構成。ベタと言えばベタですが、それが1番見ていて気持ちいいのも事実。わりと万人受けする内容に、中国の伝統文化を全面に押し出す要素を加え、さらに映像それ自体のクオリティが高いとなると、人気が出なはずがないですよね。良かったです。
映像の中で、中国の貧困家庭を描いていたのがいいと思いました。主人公の家は貧しく、両親は年中大都市の工事現場で出稼ぎをしていて、父親が怪我をして働けなくなると、今度はまだ高校生くらいの年齢の主人公も家のために出稼ぎに行かなければならない。その様子がリアルで、見ていて色々と考えさせられました。
個人的には最後の描写が考えものだなと思っていて。あれは、主人公が上海にいることは確実なのですが、結局主人公は大学に行けるようになったのか?それともまだ出稼ぎ労働者のままで、部屋だけ少しグレードアップしたのか?と疑問に思いました。個人の解釈によるので、この含みを持たせた終わり方は面白いなと思いました。
日本でも来月から東京と大阪の小劇場にて上映されるそうです。興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてください。