レビュー『八角亭谜雾』

『八角亭谜雾』

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◎形式

　ドラマ（全12話）

◎放送期間

　2021年10月

◎メインキャスト

　袁飞：段奕宏

　玄珠：赫雷

　玄梁：祖峰

　周亚梅：吴越

　丁桡烈：邢岷山

　念玫/玄珍：米拉

　刘新力：白宇帆

◎放送局

　爱奇艺

◎日本からの視聴方法

　爱奇艺アプリから

◎あらすじ

　19年前、1人の少女が殺された。被害者の名前は玄珍（演：米拉）。何年経ってもその犯人は見つからず、事件は迷宮入りした。少女の兄・玄梁（演：祖峰）は「自分は妹を守れたはずなのに」と悔い続けていた。

　時は過ぎ現代。玄梁の娘・念玫（演：米拉）はかつての玄珍と瓜二つに成長していた。ある夜、同級生の友人と遊びに出かけた念玫は、近所に住む、最近よくちょっかいをかけてくるチンピラに絡まれる。念玫が彼を振り切り家まで逃げたその後、チンピラが死体となって発見された。彼の両親は玄梁が息子を殺した犯人だと疑う。玄梁の義弟でもある刑事の袁飞（演：段奕宏）はこの殺人事件の犯人を追うが、次第に19年前の玄珍殺害事件に結びついていく。

◎評価点数

　3.5点（5点満点、0.5点刻み）

◎総評と感想

　日本でも放送された、『バッド・キッズ』や『ロング・ナイト』などを手掛けた、爱奇艺ミステリー劇場（迷雾剧场）2021年2作目です。独特の暗鬱とした雰囲気が漂う作品でした。「殺人犯を探す」というテーマだけでなく、重い家族ドラマもあり、短いわりには見ていて色々考えてしまうような作品でした。面白かったです。（視聴して5ヶ月近く経っているので、少し記憶が抜けているところがあるかもしれません…、すみません）

　制作陣へのインタビューによると、一部のシーンで手持ちカメラを使って撮影していたそうです。あえてブレる映像を撮ることで、臨場感を強く印象付けようとしたと記事では語られていました。実際にドラマを見ていただければ分かると思うのですが、その臨場感たるや！という感じで、この作品が持つダークな雰囲気とも合っていて、映像効果的には大成功だったなと思いました。監督さんすごい！

　また、この作品に登場される役者さんの演技も素晴らしかったです。迷雾剧场は中高年の俳優さんをかなりの実力派の面々で固める印象があるのですが、今作も例に漏れず。専門的知識のないただの一般視聴者の感想ですが、皆さんとても自然で、本当に作品内の人物その人のような話し方や動作で、「これが実力派役者か…！」と思いながら見ていました。そのおかげで物語への強い投入感を抱くことができたので、良かったなあと思います。

　特に犯人の最後の挙動は本当に気持ち悪くて、狂人のそれで、見ていて新鮮な恐怖感を抱くとともに、「こんな演技をできるなんて凄すぎる…！」と感動してしまいました。

　話数も短く、またサスペンスミステリーという題材なので、中国ドラマ初心者の方でも比較的見やすいのではないかと思います。ご興味があればぜひご覧ください！